誤嚥性(ごえんせい)肺炎について(1)

高齢者が亡くなる代表的な原因が肺炎ですが、その中でも「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」が7割程を占めるとたされております。予防やケアについて、どのように向き合えば良いのかご説明します。高齢になると物を飲み込む力が落ちてきて、飲んだり食べたものが誤って肺に入り、この時、細菌も一緒に肺に入ることが原因です。飲み込む力を高めることが予防につながるとして、「のどの筋肉を鍛えよう」とする情報が多いですが、これだけでは誤嚥性肺炎の予防にはなりません。
肺炎につながる誤嚥は食事中より、就寝中など、無意識のうちに起こることが多いからです。のどの筋肉を鍛えるだけでは誤嚥性肺炎を防げない理由です。誤嚥して細菌が肺に入っても、強く咳をして細菌を体の外に出したり、免疫力があり細菌に打ち勝つことが出来れば肺炎にはなりません。なるべく昼間は臥床せず、立ったり歩いたりすることで体力がつきます。誤嚥性肺炎という理由で口から食べるのを禁じる理由にはなりません。安全に注意してなるべく口から食べるようにしましょう。食べないでいると唾液の量が減って口の中の細菌が増え、再発のリスクがかえって高まるとされております。
口腔内ケアはとても大切です。
口腔内にはさまざまな雑菌がいます。食べられなくなっても口の中をきれいに保つことは肺炎の再発予防にも大切です、口の中がきれいに保たれていれば、本人も快適です。飲み込む力がなくなって食べるのが難しくなっても、丁寧な口腔ケアは大切です。